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労働の用語解説 労働基準監督署 勘違いしていませんか?失業保険マニュアル

仕事を退職したときに頼りになるのが失業保険です。

失業保険は一般的に退職前の6カ月間の給料で給付額が決定します。

そのため、新しい職に就くまでの間、失業保険を受け取れるかどうかによって経済的に大きな差が出てくるのです。

退職後の生活に不安を与えないためにも、確実に受け取れるように正しい知識を身につけておくことが大切です。

そこで、今回は受給までの基本的な流れや勘違いしやすい失業保険の仕組みについて解説していきます。

失業保険を受け取るにはハローワークに行けばいい?

失業保険はハローワークに行けば受け取ることができますが、手続きをすれば誰でももらえるというわけではありません。

そもそも、失業保険は失業したからもらえるというわけではなく、再就職する意思がある人をサポートする役割を持っています。

そのため、再就職できる状態にあること、求職活動を行っていることに当てはまるかどうかで受給資格の有無が変わってきます。

たとえば、病気やケガなどで働けない状態、または妊娠や出産で退職した場合などは受け取ることはできません。

他にも、家事・育児・介護に専念することも働く意思がないものとみなされるので注意しましょう。

離職日以前から2年の間に被保険者期間が12カ月以上あることも受給するための条件です。

つまり、1年以上働いていて離職後すぐに再就職する意思があれば誰でも受け取ることができるというわけです。

次に、受給手続きの流れについて説明していきます。

まず、失業保険の手続きには離職票・印鑑・写真(2枚)・普通預金通帳・マイナンバーを確認できるもの(通知カード・住民票でも可)・身分証明書が必要となります。

忘れてしまった場合は再度ハローワークに出向かなくてはならなくなるので、スムーズに手続きを終えるためにも必要なものはしっかりと確認してきましょう。

求職申し込みと失業保険の手続きに問題がなければ受給資格を取得することができます。

しかし、この時点では資格を得たというだけですので、これで終了ではありません。

手続き完了後に雇用保険受給のための説明会が行われるので必ず出席する必要があります。

その後、1〜3週間程度で1回目の失業認定日を迎えることになります。

失業認定日は4週間に1回です。

この日はハローワークに出向いて書類の申請と面談を行い、失業状態にあるかどうかのチェックを行います。

失業認定日に失業が確定すれば指定口座に失業保険が振り込まれるという仕組みです。

失業認定日に認定されなければ受給はストップします。

面談では失業中にハローワークで求職活動を行っているかなどもチェックされるので、受給するためには積極的に求職活動を行わなくてはなりません。

また、失業認定日はやむを得ない理由を除いて個人の都合でずらすことはできないので注意しましょう。

ちなみに、過去に失業保険を受給していたとしても、再就職後に半年以上働いていれば新たな受給資格を得ることができるので問題ありません。

半年以下で離職していた場合、以前の受給期間内であり所定給付日数が残っていた場合にのみ、残りの失業保険が給付されます。

定年退職でも失業保険が受け取れるの?

60歳を過ぎて定年退職した場合であっても、条件を満たせば失業保険を受け取ることが可能です。

その条件とは、定年退職する前に6カ月以上雇用保険に加入している・65歳未満である・働ける状態である・働く意思がある(求職活動も含まれる)ことです。

たとえ、定年退職したとしても失業状態(再就職する意思があるのに再就職できない)であれば受給資格は与えられます。

定年退職の場合は、さらに雇用期間に加えて年齢も重要になってくるので、退職する前にしっかりと確認しておきましょう。

65歳未満であることが条件ですが、退職日の年齢で判断するので退職後に65歳を迎えても問題はありません。

65歳を迎える直前に退職していても受給資格を得ることができるので、忘れずにハローワークで手続きを行いましょう。

定年退職の場合、会社都合となるので自己都合よりも所定給付日数が増えます。

また、一般的な雇用保険同様離職日の翌日から2カ月以内に申請すれば給付期間の延長も可能です。

再就職についてじっくり考えたいという場合には、申請することで最大2年延長できます。

この給付期間延長とは失業保険の受給日数が増えるわけではないので注意が必要です。

失業保険の給付期間は年齢や雇用保険加入期間などで変わってきます。

給付期間の間だけ受給することができるので、給付期間を過ぎてしまえば受給回数が残っていても受け取ることはできません。

すぐに働く意思がない場合は、給付期間を延長しておけば取り逃しを防ぐことができるというわけです。

ところで、定年退職した人で年金受給の条件を満たしているという人もなかにはいるかもしれませんが、失業保険と年金は同時に受給することはできません。

ただし、65歳を過ぎて離職していた場合には、失業保険の代わりに高年齢求職者給付というものが受給されます。

一時金として一度だけ給付されるもので、こちらは年金と一緒に受け取ることができます。

雇用保険に入っていなかった!失業保険を受け取れないの?

雇用保険は、労働者の雇用がひとりであっても(農林水産事業など一部を除く)適用事業となるので、個人の意思に関係なく加入する義務があります。

パートやアルバイトなどは雇用保険加入の義務がないと勘違いしやすいですが、実際は週の労働時間が20時間以上あれば加入の義務が発生するので頭に入れておきましょう。

万が一、離職後に雇用保険未加入に気付いたという場合でも失業保険を受け取ることは可能なので安心してください。

過去にさかのぼって雇用保険に加入できる制度があります。

ただし、最大でも2年間までしかさかのぼることができないので、加入期間で決定する給付日数が少なくなることは避けられません。

さらに、さかのぼった分の雇用保険料もまとめて払う必要があるので、離職する前に給料明細書などでしっかりと確認しておくのが無難です。

自己退職都合だと失業保険を受け取れないってほんと?

失業保険受給資格者には、自己都合により退職した「一般受給資格者」と会社都合により退職を余儀なくされた「特定受給資格者」の2つに分かれます。

退職理由がどちらであるかによって受給期間などに差が出てきます。

自己退職都合の場合は、失業する時期や失業後の状態がある程度想定できて、再就職までの準備に時間的余裕があるとみなされます。

一方、会社都合退職の場合は、会社の都合で強制的に退職させられた状態で再就職までの十分な時間的余裕はないと判断されます。

そのため、自己退職都合だと待機期間が発生し受給期間も短くなるなど条件が不利になってしまいます。

一般的に、自己退職都合では20年以上の雇用保険加入期間があっても150日間しか受給期間がなく、退職後3カ月経たないと給付されない待機期間の制限が設けられます。

会社都合退職では、同じ加入期間であっても240〜330日の受給期間で待機期間はほとんどなくすぐにもらえる場合が多いです。

そのため、退職の理由は会社都合であるほうがメリットは大きくなります。

特定受給資格者に当てはまるのは、倒産や解雇といった会社の都合で辞めさせられた場合です。

一般受給資格者は自分で退職を申し出た場合なので、ほとんどの退職は自己退職都合に当てはまります。

ただし、正当な理由があれば自己から会社都合に変えることも可能です。

たとえば、実際の労働条件に明らかな違いがあった場合や、一定の賃金が支払われていなかった場合などに認められることがあります。

病気などで仕事に障害があった場合や、パワハラ・セクハラなどがあった場合にも認められるケースが多いです。

基本的に、会社側による明らかな退職理由がない限り、企業は会社都合と書くことはめったにありません。

会社都合退職なのに自己都合退職と書かれてしまった場合は、ハローワークに相談すると会社に事実確認をしてくれます。

自身で会社に問い合わせを行うよりも確実ですので、困ったときはあきらめずにまずは相談するのがベストです。

失業保険と就業促進手当・再就職手当って何が違うの?

失業保険は、失業状態にある人が働く意思があるにも関わらず再就職できない場合に給付されるものです。

給付期間や給付額は雇用保険の加入期間や退職理由などによって定められます。

再就職手当は、失業保険の受給資格を持っている人が安定した職業に就職した場合に給付されるものです。

支給額は失業保険の基本手当の支給日数がどれだけ残っているかで決まります。

残りの日数と給付率と基本手当をかけたものが支給額となりますが、給付率は残りの支給日数が多ければ多いほど高くなります。

そのため、早く再就職できれば金額も大きくなります。

就業促進手当は、再就職手当を受給しているうえで、再就職先で6カ月以上働いていること。

そして、6カ月の賃金を1日分に換算したときに離職前の給料の1日分よりも低い場合に給付される手当です。

失業保険手続きをして受け取ることができる手当はひとつだけではないので、損をしないためにも受給条件について把握しておくのが大切です。

そこで、疑問になってくるのが満期まで失業保険を受け取らずに働いた場合は経済的に損をするのかについてですが、満期に関わらず所定の給付日数をすべて使い切るのが一般的な考えです。

しかし、失業保険を受け取らないまま満期まで働いた場合は給付日数が最大で150日と長期です。

そのため、どちらが良いのかは自分次第といえますが、満期まで受け取らずに働かなくても失業保険は受け取ることができますし再就職手当も給付されます。

満期まで受け取らずに働くと損をするというよりも、給付日数を気にすることなく受け取れるものは受け取ったほうがお得であると考えるほうが妥当なのかもしれません。

失業時の支え!失業保険をきちんと受け取ろう

失業しても、安心して求職活動が行えるのは失業保険のおかげです。

失業保険を問題なく受け取るにはいくつかの条件をクリアする必要がありますが、損をしないためには条件だけでなくその他の制度についても目を向けることが大切です。

失業中は生活費など金銭面で不安になることが多いので、失業保険の仕組みだけではなく失業保険以外にどんな手当があるのかまでしっかりと把握しておきましょう。

当てはまる条件や手当をきちんと活用することができれば、求職中の生活負担を最大限まで軽減することができます。