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相続の用語解説 相続人 気になる相続税の税率!どうやって計算するの?

数ある税金の中でも、相続税は特に税率が高い税金だといわれています。
もちろん、一般的に相続税が発生するケースはそこまで多くはありませんが、もし相続税がかかることになれば気になるのは税率です。
相続税は累進課税になっているので、相続財産が大きいほど税率も上昇していきます。たとえ相続財産が少なくても、やはり相続税の計算方法はしっかりと把握しておきたいところです。
ここでは、相続税の税率に関する基礎知識から、その計算の仕方まで詳しく解説します。相続の問題を抱えている人はぜひ参考にしてみてください。

相続税は何のために払うの?

そもそも相続財産に税金がかけられる理由はどこにあるのでしょうか。
とりわけ税率が高い相続税は、課税されることに納得できないという人もいるでしょう。
ただ、相続財産を得るということは、莫大な不労所得を手に入れることでもあります。
不労所得とは、労働という過程を経ずに得られた所得や財産のことです。つまり、何もしなくても入ってくる所得や財産のことをいいます。

相続によって入ってくる財産は、この不労所得に当たります。相続税に高い税金をかける理由は、資産格差が生まれることによる不公平感を軽減するという点にあります。
相続財産が大きくなればなるほど、裕福な層は何もしなくても財産を蓄えることができてしまいます。
そうなれば、富める者はますます富み、そうでない人との格差が拡大してしまうことにもなりかねません。これは相続税が累進課税になっていることにも関係があります。
所得が大きいほど課税率も大きくなるように、相続税も相続財産が大きくなれば税率が上昇します。これはどちらも、貧富の差が広がらないようにするための処置であり、資本主義社会にとってなくてはならない税制度なのです。

日本の相続税の税率は高すぎる?

相続税は課税価格が1000万円以下の場合は税率が10%に過ぎません。
しかし、累進課税であるため、財産が大きくなればなるほど相続税の税率も上昇していくことになります。
3000万円以下は税率15%、5000万円以下になると税率20%と、財産が大きくなればなるほど税率も徐々にではありますが高くなっていきます。

ただ、その分だけ控除額も上がっていきます。
1000万円以下の場合は控除額が0円ですが、3000万円以下であれば50万円、5000万円以下なら200万円と、控除される金額も大きくなっていくのです。
しかし、日本の相続税の税率は最大で55%にも上ります。これは相続財産が6億円を超えた場合の税率で、滅多にこれほどの税率になることはありませんが、それでも相続税率55%は世界的に見てもかなり高いといえるでしょう。

こうして見ていくと、財産の額面が大きくなるほど、納める相続税も高額になると思われますが、相続税の計算は額面通りに進んでいくわけではありません。
上記のような税率が適用される前に、何段階もの計算が必要になってくるので、その計算方法についてしっかりと確認しておきたいところです。

相続税の課税対象はどこまで?

実は正味の遺産額には、そこまで高い税率がかけられるわけではありません。
相続税を計算するためには、まず正味の遺産額、すなわち遺産総額を求める必要があります。

遺産総額とは、不動産や預貯金、その他の財産の中から、借金や未払い金などをマイナスした金額のことをいいます。

つまり預貯金が3000万円あっても、借金が1000万円あれば正味の遺産額は2000万円ということになります。
また、葬儀にかかった費用なども相続財産のマイナス分として計上することが可能です。 財産の相続には故人の遺志が反映されるため、遺言書が残っていればそれにしたがって財産の相続手続きが行われます。
ただ、相続人が複数いて、かつ遺言書が残されていない場合は、法定相続分によってそれぞれの相続人に財産が分配されることになります。
しかし、必ずしも法定相続分にしたがって分配する必要はないので、遺産分割協議という話し合いを行ってそれぞれの相続分を算出するのが一般的です。
 それから、相続税の計算においては、基礎控除額についてもしっかりと把握しておかなければなりません。基礎控除額は「3000万円+法定相続人の数×600万円」となっています。

つまり、実際の相続税の対象になるのは、正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた金額ということになります。その金額が非課税枠の中に収まれば相続税はかかりません。
また、不動産にかかる「小規模宅地等の特例」など、相続税のさまざまな軽減措置も用意されています。相続税の計算をするときは、軽減措置が受けられるかどうか把握しておきましょう。

相続税はいくらになる?

それでは、実際に例を挙げながら、相続税の計算方法についてシミュレーションしてみることにしましょう。
一般的には、相続財産は遺産分割協議で決められますが、今回は法定相続分で配分されたものとし、それぞれの相続税を計算していきます。

亡くなった人をAさんとし、その妻をBさん、長男をCさん、長女をDさんとして説明します。
正味の遺産額が2億円だったとき、そこから基礎控除額(3000万円+法定相続人の数×600万円=4800万円)を差し引くと、残った金額は1億5200万円ということになります。

これを法定相続分にしたがって配分すると、配偶者であるBさんは2分の1で7600万円、子であるCさんとDさんにはそれぞれ4分の1で3800万円になります。
この金額(課税価格)にそれぞれ税率をかけると、Bさんは7600万円×税率30%-控除額700万円=1580万円、CさんとDさんは3800万円×税率20%-控除額200万円=560万円となります。
つまり、Bさんは1580万円、CさんとDさんは560万円の相続税を支払わなければならないということです。

ただ、相続税には税額控除という制度があります。たとえば、配偶者控除という制度を利用すれば、取得した相続財産が1億6000万円未満の場合、相続税を非課税とすることが可能です。
つまり、亡くなったAさんの配偶者であるBさんは、1580万円課税されるところ、配偶者控除によって相続税を0円にすることができます。
 このように、相続税の計算はいくつかの段階を経て正確な数値を求めることができます。さまざまな控除によって、税額を軽減できる仕組みもあるので、実際に相続を受ける前にしっかりと計算しておくようにしましょう。