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借金・債務整理の用語解説 債権回収 いつ起こるかわからない債務不履行!知っておきたい対処法

債務不履行は意外と身近な問題です。
ネットや店舗などで商品を購入した際にも起こりうることです。

たとえば、家電量販店で電動自転車を5万円で購入し支払いを済ませ、10日後に自宅に配送してくれるように手続きをしたとします。
しかし、もし配達されてきた電動自転車が壊れていて、店側に返金を求めても応じない場合、これは「正当な理由なくして債務が履行されない」という債務不履行の事例に当てはまる可能性があります。
もしこのような場面に遭遇したら、どのように対処すれば良いのでしょうか。

債務不履行はいつ起こるかわかりません。
だからこそ、正しい対処法を知っておくことがとても重要なのです。
ここでは、具体例を交えながら日常のなかで起きる債務不履行の対処法について詳しく解説します。

自転車がいつまでも届かない!?履行遅滞とは

債務不履行にはいくつかの種類があります。

その一つが「履行遅滞」です。履行遅滞とは、たとえば購入した電動自転車がいつまでたっても届かないなど、履行は可能であるが正当な理由なくそれが遅れていることを指します。
とはいっても、納品がちょっと遅れているからといって、ただちに履行遅滞になるわけではありません。たとえば、債権者に「留置権(民法295条)」や「同時履行の抗弁権(同533条)」がある場合はその限りではありません。

留置権や同時履行の抗弁権とは、簡単にいえばお互いが「債務を確実に履行する」という約束のことです。
この場合、電動自転車を購入した者が代金を支払い、その対価として店側が商品を納品することになります。
もし前払いを原則とした代金の支払いが済んでいない段階で、購入者が商品の引き渡しを求めても、当然店側はそれに応じる必要はなく、履行遅滞にはなりません。
そもそも債務不履行は、正当な理由なく債務が履行されないことをいうので、たとえ配達期日が過ぎていても購入者が代金を支払っていない場合は、履行遅滞にはあたらないのです。

納品の遅れが履行遅滞となるには、いくつかの条件があります。
まず、納品の期限をしっかり定めている場合(確定期限付債務)です。
たとえば店側が「9月15日までに納品する」と約束していて、購入者が料金の支払いを済ませたにもかかわらず、その日を過ぎても商品が届かなかった場合は履行遅滞となります。

では、「納品までに2週間程度かかる」といったあいまいな表現や、そもそも納期が明記されていなかった場合はどうでしょうか。
納品までを2週間程度としていた場合(不確定期限付債務)、約束の2週間が過ぎたからといってただちに履行遅滞とはなりません。
「2週間程度」ということは、前後数日のずれがあると解釈されるため、許容範囲内での遅れなら遅滞とまではいいにくいといえます。

もしこれが2~3週間を過ぎるような遅れであれば、履行遅滞となるでしょう。
これに対して、納品の期日をまったく決めていなかった場合(期限の定めのない債務)は、購入者(債権者)から別途請求しない限りは、どんなに遅くなっても履行遅滞になりません。
その場合は「あと2週間で届けてください」など、あらためて期限を請求することで、その期限を過ぎたときに初めて履行遅滞が発生します。

バッテリーの持ちが悪い!不完全履行とは

購入した電動自転車になんらかの不具合があった場合、それは「不完全履行」という債務不履行の一つにあたると考えられます。

購入者が代金を支払って期限までに納品されたのであれば、店側の債務履行は一応なされたと見なされます。
しかし、契約の趣旨や取引慣行などに照らして、期待された履行がされたといえない場合、不完全履行として債務不履行を主張することができるようになります。

電動自転車の例でいえば、購入直後からバッテリーの持ちが悪かったり、充電が100%にならなかったりするなど、自転車が不良品であった場合は債務の不完全履行に該当します。

また、不完全履行は履行が可能(交換や修理)であれば「履行遅滞」となり、履行が不可能(交換、修理不可)であれば次に解説する「履行不能」に準じて扱われることになります。

配達中、自転車がバラバラに壊れた!履行不能とは

履行不能とは、契約成立後に履行が物理的または法律的に不可能になった状態のことです。

たとえば、購入した電動自転車が、店側の責任で行った配達中に事故に遭い壊れてしまった場合、購入者に届けることが物理的にできなくなってしまうため、「不具合のない商品を納める」という債務が履行されないことになります。
これを履行不能といいます。
ただし、もし購入した電動自転車が不特定物、つまり代替えのきく商品であった場合は、代わりの品を別途発送すれば履行不能とはみなされなくなります(調達義務)。

問題なのは、オーダーメイドや限定品といった替えのきかない商品の場合です。
もし、こうした電動自転車を店の責任で破損させ、さらに代替えのきかないものであれば、ただちに履行不能となる可能性が高いでしょう。
このような履行不能の問題は、原始的不能と後発的不能に分けられます。

原始的不能とは、「契約が成立する前」から履行が不可能になることです。
たとえば自転車の購入を予約したものの、代金を支払うまえにその自転車が壊れてしまい、購入できなくなったケースなどがそれにあたります。
この場合はそもそも契約が成立する前なので、履行不能には含まれないと考えられています。
一方、後発的不能は、「契約が成立した後」に債務の履行が不可能になることで、上記に挙げた自転車の例などは後発的不能となり、履行不能に含まれることになります。

債務不履行の相手方に採りうる法的手段

もし相手方の債務不履行によって、損害(商品未着など)を被った場合、購入者(債権者)は法的手段に訴えることが可能です。

それは主に、「履行請求」「契約の解除」「損害賠償請求」という3つの手段です。
「履行請求」は、債務者である店側に履行を催促するということです。

たとえば履行遅滞が起こっている場合に、債務者に対して「早く商品を配送してくれ」と請求する場合や、不完全履行で商品に不具合があり「無料で修理をしてくれ」と請求する場合などが履行請求にあたります。
相手方が債務不履行となった場合は、債権者にはこうした「履行請求権」というものが発生し、自らの権利を主張することができるようになります。

これに対して、「契約の解除」はそもそもの契約をなかったことにできる法的手段です。
解除をすれば契約も無効になるため、購入代金を支払っていればそれを取り戻すことができます。
債務不履行による契約の解除は、債権者が一方的に債務者に通告することが可能です。

つまり債務不履行がある場合は、店側(債務者)は購入者(債権者)からの契約の解除を拒否できず、解除を通告されたら受け取っている購入代金などをすべて返金しなければならなくなります。
さらに、上記の2つに合わせて「損害賠償」を請求することも可能です。

契約の解除をして返金された後、または解除をする前に履行請求をし、すでに債務が履行された後だったとしても、そうした法的措置とは別に損害賠償の請求をすることができます。
もちろん、損害賠償請求が認められるためには、債務不履行があったという事実や、債務不履行によって実際に損害があったという事実などが必要になります。
請求が認められれば、損害に見合った損害賠償金や債務不履行に伴う違約金などを受け取ることができます。

債務不履行はあらゆる契約において起こりうる!

今回は電動自転車を購入した場合を例にとって債務不履行について説明しましたが、債務不履行の問題はそうした売買契約のみならず、請負契約や雇用契約などの一般的な場面においても起こりうる非常に身近な問題です。

しかし、債務不履行は履行遅滞と不完全履行、そして履行不能という3つの類型に分けられ、それぞれのトラブルに遭遇した場合の対処法が存在します。

いざ問題が起きたときでも正しい対処ができるように、この記事で提供した知識をしっかり身に着けて、自分のケースにも応用してみましょう。

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