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判例要約
rissuru

エイズが一般的ではなかったとき、血友病治療でエイズに感染させてしまったら業務上過失致死罪として罪に問われるのかな~?

ずばり! 業務上過失致死罪として罪に問われない。

なぜ、業務上過失致死罪として罪に問われない。のか?「街角相談所-法律-」
では、実際にあったお話しをもとに解りやすく解説します。

エイズが一般的ではなかったとき、血友病治療でエイズに感染させてしまったら業務上過失致死罪として罪に問われるのか?

実際にあったお話し

太郎さんは街角病院のお医者さんでした。

血友病治療の権威として、街角病院の血友病にかかる基本的治療方針を決定する立場にありました。

そして太郎さん指導のもと、街角病院では血友病患者に対して非加熱製剤というものを投与していました。
 
ある日、血友病患者である一郎さんは街角病院で治療を受けました。

そこで非加熱製剤の投与を受けましたが、製剤がエイズウイルスに汚染されていたため、一郎さんはエイズに感染し、結果的に死亡してしまいました。

当時、エイズに関する知識が世の中に広がり始め、エイズが疑われる病例がいくつか報告されていたものの、不明の点が数多く存在していました。

その後、太郎さんは業務上過失致死罪で起訴されてしまいました。

これに対して、太郎さんの弁護人は「太郎さんは非加熱製剤を使用することの危険性を認識していなかったため、過失は認められない。」と主張しました。

「エイズが一般的ではなかったとき、血友病治療でエイズに感染させてしまったら業務上過失致死罪として罪に問われるのか?」の結果について

太郎さんの主張は認められ、太郎さんの行為には業務上過失致死罪は成立しないとされた。

ポイント解説

(1)通常の血友病専門医を基準として、利益に比して危険の多い治療行為を選択したといえる場合に、過失が認められると判断された。

⇒ 過失犯が成立するためには、過失、すなわち、注意義務違反があることが必要である。

今回の事件では非加熱製剤の使用によるエイズ感染の危険性がいまだに十分認識されていなかった。

そして、大多数の血友病専門医は血友病患者に対して非加熱製剤を投与するという治療法を採っていた。

太郎さんは血友病治療の権威という立場にあったが、通常の血友病専門医を基準とした場合に普通は採りえないような利益に比して危険の大きい治療法を採ったとはいえないとして、過失はないと判断された。

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この事例の投稿者

街角相談所 -法律- 編集部

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