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判例要約
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交通事故によって被害者や相続人が遺族年金を受給したら、加害者が支払う損害賠償の金額は減少されるのかな~?

ずばり! 損害賠償を減額することができる

なぜ、損害賠償を減額することができるのか?「街角相談所-法律-」
では、実際にあったお話しをもとに解りやすく解説します。

交通事故によって被害者や相続人が遺族年金を受給したら、加害者が支払う損害賠償の金額は減少されるのか?

実際にあったお話し

健太さんは中学校の教諭として、長年勤務し、定年退職を迎えました。
健太さんには、妻の花子さん・長男の一郎さんがおり、定年退職後の余生を満喫し、年金を受給しながら幸せな生活を送っていました。

また、健太さんは、退職年金の他に、自宅で近所の中学生相手に塾を開いて数学の教師をしており、月額約7万円の収入を得ていました。
将来的に、この塾をより発展させてさらに大きな塾を開く予定で、自宅の車庫の2階にそのための教室を設計して開塾に備えていました。

そんなある日、健太さんは夜遅くに横断歩道を渡ろうとしていました。
その時、酔っぱらった太郎さんの運転する車が、一郎さんをはね飛ばし、一郎さんを死亡させてしまいました。

悲しみにくれた花子さんは、太郎さんに対し、「受給されるはずであった退職年金と数学の教師としての給料・将来塾を開いた場合の利益といった利益が失われた」として、1億円の損害賠償の請求を行うこととしました。
また、花子さんは、健太さんが中学校の教諭として勤務していたため、一郎さんの死亡により、遺族年金を1,000万円受け取ることとなっていました。

そこで、太郎さんは「健太さんが亡くなったことにより、花子さん達遺族が1,000万円の遺族年金を受給するため、1億円全額の損害賠償は認められず、遺族年金の額を引いた9,000万円の範囲に減額されるはずだ」と主張しました。

「交通事故によって被害者や相続人が遺族年金を受給したら、加害者が支払う損害賠償の金額は減少されるのか?」の結果について

太郎さんの反論は認められ、花子さんの請求した損害賠償の額は9,000万円に減額された。

ポイント解説

(1)交通事故の被害者またはその遺族が被害者の負傷または死亡を原因として共済年金などの年金の受給権を取得した場合、加害者が賠償すべき損害額の算定にあたり、年金の額を控除する必要があるとされた。

⇒ 交通事故のような不法行為によって、損害が生じた場合であっても、不法行為と同一の原因によって、被害者などが別の利益を得ている場合には、加害者の賠償すべき損害額から控除がなされる。これを損益相殺という。
よって、花子さんが支給を受けることが確定した遺族年金は損益相殺の対象となり、損害賠償額から控除され、損害賠償額の減額がなされることになるとされた。

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街角相談所 -法律- 編集部

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